先日、2年に一度の人事部との面談がありました。入社してから2度目の面談です。
つまり、気がつけば2014年に今の会社に入ってから丸4年が経過していました。
いやはや、本当にあっという間でしたね…
僕が業界に入った頃に比べると、随分ビルメン業界について書かれたサイトやブログも増えたように思います。
ですが、この業界は
- 所属する会社
- 働く現場
この2点に大きく左右される業界なので、人によって言っている事が大きく変わることもよくあります。
僕が働いているのは
☑ 3万㎡クラスの大型オフィスビルをメインに、周辺の複数物件を群管理
という環境です。
今回は、未経験からビルメン業界に入って4年働いてみての率直な感想を書いていきます。
未経験から系列ビルメンに転職するまでの経緯はこちら
ビルメンは楽な仕事なのか?
ビルメンについて調べてみると、必ずと言えるほど付随してくるのが「楽な仕事」というワード。
まず、これについてはマジでした。
実際に働いてみて「楽だな」と感じたのは間違いありません。
業務中にお金の発生する「待機」時間がある仕事なんてそうそうありませんよね。
また
- ノルマがない
- 残業がほぼ無い
- 休み(自由時間)が多い
このあたりが楽だと感じた大きな理由として挙げられます。
ノルマがない
営業職であれば売上、製造業であれば納期など、働く人の大半は何かしらの数字を追って仕事をしているかと思います。
ですが、設備の維持・管理が仕事のビルメンでは、現場レベルにおいてノルマを求められることはまず無いです。
もうすっかりそういう環境に慣れましたが、転職したばかりの頃は違和感が凄かった事をよく覚えています。
残業がない
これも慢性的な”みなし残業”(サービス残業)をしていた前職から考えると感激した記憶があります。
オーナーとの管理契約に基づいて人員をシフトで配置しているので、基本的に残業はありません。
よほど緊急性のあるトラブル(ビル内で人が倒れて救急車要請をした、ビル内火災が発生した、など)でない限りは次の勤務者へ引き継げばその日の勤務は終わりです。
個人で仕事をするというよりは、現場全員でチームを組んで仕事をしているようなイメージですね。
なので、持ち帰りの仕事なども現場要員であればほぼあり得ないのが基本。
オンとオフがきっちり分かれているのでストレスが激減しました。
もちろん、配属される現場によっては常時残業のあるような商業施設や、夜間も休む暇のない病院現場などもあるので、オフィスビルがメインの現場で働く僕は幸運だったことは否めませんw
休み(自由時間)が多い
僕の働く現場のように、宿直(24時間)勤務があるビルだと、体感の自由時間は本当に多いです。
通常の休みに加えて、明け休み(24時間勤務の翌日は勤務扱いで帰宅できる)があるからですね。
激務現場だと夜間も作業で仮眠できず、明け休みは家で寝るだけ…というケースもあるので一概に良いとは言えませんが、僕の働く現場の場合だと基本的には23時半〜6時が仮眠時間としてベッドで休むことができています。
なんなら泊まりの日の夕方以降は日報仕上げたらあとはテレビ見てようがスマホで遊んでようが資格勉強をしようが自由です。
明け休みはほぼ普通の休みと大差ないので、これはかなり大きなメリットだなと感じています。
しかし…
最初から楽な仕事ではない
僕のように異業種から入ると、おそらく最初は同僚の話している専門用語が全く理解できず苦労するかと思います。
広いビルの中のどこにどんな設備が置かれているのか、場所を覚えるだけでも大変でしたし、そもそもその設備がどんな用途で使われているのかも分からないので飲み込むまでがキツいです。
日常的な業務はともかくとして、イレギュラーで起きたことを解決する仕事でもあるのに、その対処法は起きたときにしか学べません。
積極的に自分から勉強するつもりじゃないと、全く身につかないまま時間ばかりが経ってしまうという環境です。
更に覚える必要があるジャンルも(レベルは浅くても良いですが)電気・衛生・建築・防災etcとやたら多いのも最初はキツかったですね。
一通り様々なトラブルを一人で解決できるだけの知識を身に着けて、初めて楽だと言える仕事だなというのが働いてみて感じた事です。
転職当初はこういった参考書でかなり自主的に勉強していましたね。
異業種から入った方は参考にどうぞ。
ビルメンはサービス業
ビル設備のメンテナンスをするというイメージや、そう書かれたネットの記事を読んだ人が勘違いしていることがこれです。
ビルメンはエンジニアではなくサービス業。
これが近年のビルメンテナンス業界全体の風潮です。
特に系列系ビルメン会社ではその傾向が強いですね。
「時間になったら巡回して、あとは座ってればいいんでしょ?」
そういうノリで入ってきた人は間違いなく辞めていきます。
テナントと話をする機会も多いので、機械いじりメインだからコミュ障でも大丈夫という感覚で入ってきた人も苦労しています。
(もちろん営業職と比較すれば屁のようなコミュ力で大丈夫ではありますが)
特に大手の系列では顕著ですが、対人に癖のある職人上がりのオッサンよりも未経験でも営業や販売を経験したことのある人の方が現在では好まれる傾向にあります。
ビルメンの給料・年収
やはり皆さん気になるお金事情ですが、ビルメン業界はあまり給料が良くないというのが大半の方のイメージではないかなと思います。
ビルメンテナンスの平均年収は286万5282円で、国内の100職種中41位です。
平均月収は20万46663円で、15万円から25万円の範囲で全体の80%以上を占めています。
建物内の日常清掃や維持管理業務では未経験者の採用も多く、経験者は指導的役割や設備管理を任されることもあります。
月収が30万円以上の割合は1.73%です。電気主任技術者や建築物環境衛生管理技術者などの国家資格を保有している人は、ビルの管理責任者として、年収が高くなる傾向にあります。
上記出典のはたらいくによると、
2014〜15年のデータで
平均年収287万円、月収は20万円。
正直、かなり低いと感じる方が多いのではないでしょうか。
これは警備、清掃も含めたビルメンテナンス業界全てを合わせたものなので、元々高くない平均を更に下げているのも要因ではありますが、(警備や清掃は非正規雇用も多い)
更に話をややこしくしているのが「独立系」と「系列系」の違いです。
簡単に言うと
- 独立系ビルメンは給料が安い
- 系列系ビルメンは給料が高い
という事です。(ざっくりしすぎ)
少し具体的に言えば
独立系の会社は入札で多くの現場を押さえる事で利益を上げるために、他社に負けない低価格で落札をします。
結果、現場で働く人へ支払う金額も安くなってしまう傾向にありますが、
系列系会社では、親会社の所有する物件を優先的に受注できるので管理費が極端に低いということは無く、結果的に現場へ落ちてくるお金も大きいということです。(他にも要因はありますが、ここでは割愛します。)
さて、前置きが長くなりましたが、僕が働くのは系列のビルメン会社で、上記の平均年収はクリアしており
現在27歳、4年目の年収は350万円を少し超えるくらいでした。
世代の中央値はなんとか満たしているかな、くらいの金額だと思います。
ちなみに、入社時の年収はギリギリ300万円に届くかどうか、くらいでした。
ビルメンの年収について調べてみると、独立系は未経験で250〜300万円スタート、系列は300〜350万円スタートとの声をよく聞きますが、これはおおよそ間違いがないかと思いますね。
僕は住んでいるエリアでは1番の都市圏にベッドタウンから通う生活なので、これくらいの金額でも今のところあまり困ることはありません。
入社のタイミングも重要
僕の場合、24歳で入社した為、一番低い等級からスタートしているのが少し足を引っ張っています。
まだまだ年功序列体質の企業は多いですが、僕の働く会社もそれに漏れず…
現在は入社時から等級が一つ上がっていますが、もし25歳で入社していれば、最初から一つ上がった等級からスタートするようになっていると入社後に知りました。
まだまだ企業では
「25歳で独身ならこれくらい」
「40代で子供がいるならこれくらい」
のような、ある程度のモデル収入を定めているケースが多く、
僕の働く会社場合だと、一つの基準に「25歳以上かどうか」が入っていたようです。
どうせ働くのなら早いうちから入った方がいいとは思いますが、こういった話もあるので転職をするなら覚えておくと良いかもしれません。
系列ビルメン会社なら定期昇給も賞与もある
系列ビルメン会社であれば、世間一般の想像する定期昇給(4000円〜1万円くらい)はありますし、賞与も夏冬の年2回支給があります。
僕の勤めている会社では、設備員だとボーナスは年2〜3ヶ月分です。
他の系列系なら4〜6ヶ月分くらいあるというネットの書き込みもちらほら。
ただし、成績給をつけにくい業界なので「今回は業績良かったからボーナス多いよ」なんて話にはなりにくいのが悲しいところではあります…
ビルメンはやり直しのチャンス
- 転職回数が多く履歴書がボロボロの人
- 就職活動がうまく行かなかった人
- 夢破れて就職することになった人
- 激務で身体を壊した人
働いてみて感じたのは、このような境遇の人でも、何とか正社員として人並みの生活が送れるようになる可能性がある業界だなという事です。
僕自身、ファッションの専門学校という進路が限られる選択をしたものの、新卒で就職した会社が潰れた時に、「この業界で働き続けられるのかな?」とその後業界で働いていく自信も無くなるという経験をしました。
転職を考えた事がある人なら分かるかと思いますが、未経験で異業種に行くというのは実際難しいところです。
それを実践できたのは、ビルメン業界の間口がそれだけ広いということにほかなりません。
ビルメンに転職して良かったこと
まず大きいのは自分の時間がしっかり持てるようになった事です。
前職は年間休日105日ほどで、毎月40〜50時間の残業があるものの、残業代は一律の”みなし残業”制の会社でした。有休もほとんど取れませんでしたね。(取れる雰囲気ではなかった)
若かった事もありますが、年収もなんとか300万円といったところでした。
そこから年休120日以上、有休はほぼ100%消化、残業代全額支給で年収も微増という環境に変わったのはとても大きい事だと感じています。
DIYスキルが上がる
ビルメンをやっていくと、自然と建物に詳しくなっていきます。
工具の使い方や修繕、部品交換のスキルは、そのまま自宅でも活用できるのが良かったですね。
特に水廻りのスキルは重宝しています。
ビルメンに転職してイマイチだったこと
- 生産性に欠ける
維持・管理が仕事と言う事で、何かを生み出すという業務はかなり限られます。
ものづくりがしたい、という人には向かない仕事だと思います。
- 汚い仕事もある
油で汚れるような仕事もありますし、夜間のトイレ詰まりなどは設備員が対応することになるので、そういう仕事にあたると「何やってるんだろう…」と思うこともしばしば。
- 給料は安め
現在はなんとか世代平均くらいはありますが、ここからの伸び代には限界があります。
イチ設備員として働くのであれば、今の会社だとおそらく年収500万円でほぼ頭打ちになりますね。
超えるためには現場の責任者クラスになる、もしくはマネジメント業務の増える総合職になり、現場のチーフや所長クラスを目指すなどの転換が必要です。
しかし、そうなると今ほど気楽に休める環境からは遠ざかるというトレードオフに…
比較的、業界では良いとされる系列会社でこんな感じなので、入る会社を間違えるとかなりキツいかと思います。転職を考えている方がいれば会社選びは慎重にいきましょう。
パッと思いつくのはこんなところですね。
最後に
長くなりましたが、僕はビルメン業界に転職して良かったなと思っています。
こんな感じでブログを書く余裕があるのも、時間と精神的なゆとりがあるからこそです。
資格取得が評価されやすい業界なので、ある程度努力できる人なら一生職には困らない環境に持っていけるのもメリットかなと思います。
ビルメンテナンス業界に興味のある人の参考になれば嬉しいです。
以下、未経験からビルメン業界に転職した際に利用したサービスの紹介です。
興味のある方は参考にしてみてください。
ビルメン(設備管理)の転職におすすめのサイト・転職エージェント
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